第十二夜 裸の焼酎

裸の焼酎

清酒ならば風呂敷に一升瓶を小粋にくるんで、ぶらっと下げて親しき家に届ける。

焼酎は一升瓶を二本ならべ、首に紐をかけて双方をギュッと括る。もちろん、瓶のおなかの部分にも紐をかける。二本を括るのが鹿児島の贈答の常。

ぴったり寄り添うような姿が、贈り贈られる人の心のうちを、語っているようで微笑ましい。

たいそうお世話になった方には、一升瓶を正三角形に並べて結わえる三本括りが豪気で見栄えがいい。今ふうにいえば、過剰な包装を排した、地球にやさしい贈りものということになろうか。

この飾らない、気どらない焼酎に 贈る人の熱い思いはどんどん注がれ、杯を重ねるたびに贈られる人の心の奥にしみわたる。そして、
「カタチじゃないんだよ、大事なのは中味なんだよ。」
裸の焼酎はそう語りかけてくる。

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