第七夜 白である、黒である。

現在日本の清酒造りには黄麹が、本格焼酎造りには白麹と黒麹が使われている。ところで、明治四十年代までは、本格焼酎も清酒と同じ黄麹を使っていた。

しかし、黄麹菌を使ったもろみは腐りやすく、温暖な地方では歩留まりが悪かった。そこで注目されたのが、沖縄の泡盛に使われていた「黒麹」である。

黒麹菌にはクエン酸の生成力があって、もろみの腐敗防止に大きな威力を発揮した。

やがて大正時代になり、河内源一郎氏の手により黒麹菌から変異種の白い麹が分離され、その後さまざまな改良が加えられて、現在多くの本格焼酎に使われている「白麹」となったのである。

使う麹により、焼酎の味も違ってくる。柔らかな香りですっきりした飲み口の白麹。華やかな香りとコクのある飲み口の黒麹。

白黒はっきりとした主張があるからこそ、わたしはわたしのイモを飲む。

 

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