第十六夜 陽の酒

陽の酒

「田舎から焼酎が送ってきた」

そう言って、鹿児島生まれの友が、一升瓶を裸のままぶら下げてきた。

ヤカンをコンロにかけてお湯をわかし、コップにゴボゴボ半分ほどお湯を入れ、一升瓶から芋焼酎をドボドボそそいだ。

その瞬間、芋焼酎独特のあたたかい香りがひろがった。
そして部屋の中に陽が射したように、焼酎をそそいだグラスが輝いた。

「乾杯!」

友はゴクッと三分ほど飲み、お互いとびっきりの笑顔になった。

「それ、飲め!」

「グッと、いけ!」

そんな調子で焼酎も話もはずんだ。
語りながら、笑いながら、グラスをかざすと、焼酎の海がきらめいて、今宵はこの海で真っ黒になるまで浴びていたいなと、とてもホットな気分になっていた。
彼は南国のギラギラ輝く太陽を持って来たのかもしれない。

陽の酒「芋焼酎」に、感謝!

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