第十八夜 横の酒

横の酒

一升瓶をまんなかに据え、車座になってわいわい飲む。
右側から手が伸び一升瓶をつかむと、
「まあ、どうぞどうぞ」とグラスにそそぐ。

まんなかにもどってきた一升瓶を、今度は左側から伸びてきた手がつかみ、「やあやあ、よか晩ですなあ」とトクトク。
再びまんなかにもどるやいなや向かい側から手が伸びて、「おつかれさまです」とトクトクトク。
車座には、上座も下座もない。
隣りどうしでグラスを傾け合って、飲むほどに、話の輪がひろがっていく。

芋焼酎は、生まれた時から庶民の酒。
横のつながりで飲み継がれてきた気さくで、気楽で、気がねのない「横の酒」。

忘年会などなにかと酒宴の多いこの季節。
上下に分かれてかしこまって飲むよりも、横の酒・芋焼酎とともに横へ横へとつながって、心と心を通い合わせるのもいいもんだ。

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