| 現在、 最も一般的な焼酎の飲み方といえば、六・四、五・五
といったお湯割りであろう。あらかじめ暖めたグラスに好みの分量のお湯を注ぎ、次に焼酎を細く静かに注ぐ。
しかしながら、焼酎本来の飲み方は、意外に複雑で繊細なのである。
まず 割水であるが、ミネラル分を多く含む「 硬水」を最上とする。コーヒーやお茶に「 軟水」が向いているのと、ちょうど逆なのだ。
次に作り方であるが、焼酎に好みの分量の割水を入れ、これを温める。燗付けの温度は、各自好みの分かれるところだ。熱すぎず、ぬるすぎずが無難であろう。できれば専用の容器に入れ、直火でつけるのがよい。
さて、その燗付け専用の土瓶が、黒ヂョカである。かつてはどの家庭にもあった囲炉裏の自在カギに掛けられるよう、籐やつづらで作られた取り手がついている。
この黒ヂョカ、使った後に決して水洗いをしない。使い込むほどに独特の光沢を発し、また、お湯を注ぐだけで、香ばしい焼酎の薫りが立ち上がる。
最近では、囲炉裏のあるご家庭を探す方が困難ではあるが、なに、石油ストーブで充分に代用できる。
焼酎本来の妙味は、古式床しい作法にあり。 |