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清酒の甘口・辛口は、昭和40年代まで、お酒の比重で計られていました。アルコール分が多く、糖分の少ない酒は水より軽く、逆にアルコール分が少なく、糖分の多い酒は水より重いので、比重の軽い酒は辛く、重い酒は甘いと考えられてきました。

例えば、アルコール25度の本格焼酎は、水の比重一に対して0.97と軽く、数字の上では辛口の酒ということになります。

◆本格焼酎の甘口・辛口

ところが、昭和50年代になって、比重が同じ酒でも、酸度が多いと辛く、少ないと甘いことがわかり、現在は比重と酸度のバランスで清酒の甘辛が比較されるようになりました。本格焼酎でも、同じアルコール度数で甘口・辛口があります。

冠表示の主原料別に比較してみると、甘いいもの香りをもつ甘藷焼酎、カルメラの香りが生きている黒糖焼酎、甘焦げ香のある麦焼酎・米焼酎・泡盛などの製品は、嗅覚が味覚に反応して、飲む人に甘味を感じさせます。

また、アルコール分の濃い酒ほど甘く感じられるように、アルコールそのものも甘辛に関係します。本格焼酎を精製しすぎると、アルコールの香りがツンときて辛みが強調されます。フーゼル油も重要な味の成分で、丸味とともに甘味を感じさせる役割をはたします。

◆ソフトタイプの本格焼酎

昭和40年代、アメリカでは無色透明のウォッカ、ジン、白色ラムなど淡色蒸留酒の消費者が「国民酒」と目されていたバーボン(淡茶色)をしのいだことから、白色革命といわれました。

この傾向が世界に広がって、50年代には日本にも焼酎ブームがおこり、がぜん本格焼酎が注目を浴びました。そして、それまでハードタイプ一本であった本格焼酎に、ソフトタイプといわれる新顔が登場しました。

従来の蒸留法で造られた本格焼酎の製品には、多種多様な香気成分が含まれ、こうじや主原料の風味が生きています。これがハードタイプの焼酎です。

これに対し、真空ポンプによる減圧のもと40〜50度Cの低温で蒸留した本格焼酎はソフトタイプといわれます。これは、冠表示原料の風味に欠ける反面、飲む人に軽快感を与えるエッセンス風の芳香があります。

現在では、米製・麦製・そば製で減圧蒸留によるソフト製品が主体を占めるようになりました。しかしながら、泡盛は伝統的なハードタイプを守り続け、唐芋焼酎も甘い蒸し芋の香りを生かすため、ほとんどの製品が頑固に在来の製法を引き継いでいます。


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